改めて帯箪笥を開けると 凛として 存在感のある見事に織られた帯に 時代を超えて魅せられる。
何時、どんな方が、織機を鳴らしてくれたのか!
締めるでもなく、懐かしさと息抜きの私の戯れに付き合い、しばらく穏やかな冬の木陰に揺られ、また、一本一本新たとう紙に包み替えられて、元の居場所に戻っていく。
もう何年 いや、何十年 この作業をしているのだろうか。
出番の多い帯.着物は、自分好みの色と重みとしなやかさを併せ持つ。
いずれも譲れぬこの3つは、私のフォーマル、セミフォーマル、そして遊びに欠かせない必須条件で、然も、居場所は特別席!全く別の箪笥。依怙贔屓もいいところ。
要するにその他の約100本。150数枚は、何年かおきに、冒頭の作業の出番を待つのみ。
そして、和服好きの私の下には 叔母や姉妹、親類から、ためらいもなく 当たり前のように 尚、送り届けられる。そのほとんどが仕付け付き 一度も手を通していない。或いは反物のまま。
冬の陽だまりに 風を通しながら、ふと思う。この先誰かが着るのか? この作業を引き継ぐ者は?
いずれも「無」 寂しい限りである。
特に袋帯は、世界中でも比類稀な見事な絹織物で、色彩は基よりその巧妙な図柄は筆舌に尽くし難い。
着物は特に母が紬の愛好家で、結城・大島・琉球・ぜんまい・黄八丈・塩沢 等々
そして 特に一族全員が大いに好んだ昭和の染色家浦野理一先生の鮮やかな振袖・訪問着に型染めのお洒落着・経節紬の着物と帯。それらの巧みな色合いは 類を見ないものである。特に先生のデザインの刺繍の帯は宝物!
懐かしいものたちは 北鎌倉の純和風のお屋敷とある日の先生の笑顔を再び蘇らせて 私も娘時代にTime travel ! 暫し至福の時を導く。故に決して手放せない。正に今に生き続ける いや、未来に生きる品々だから。
なれば この子たちを 箪笥から解放し、現代に生かせてあげられるには、、、、、、、。
私の奮闘は ここから始まった。
日本宝織 主宰 薫香
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お手入れ方法
素材は ほとんどシルクですが、しっかり水通ししてあるので、お手入れは袋に入れて弱水流(お洒落洗い用)で 洗濯機使用で大丈夫です。
有限会社 アトリエ・アイ
(https://www.atelier-ai.tokyo/atelier-ai/)
住所:東京都三鷹市新川6丁目3-6
電話:0422-49-0972
(最寄駅:JR中央線 吉祥寺⇒公園口出て「丸井」前よりバス使用・「新川」下車一分)
目印は 入口のエンジェルの看板です。